つま先立ちの恋
私は胸の前で腕を組み、得意顔で頷く。

もう大丈夫だよ、フー。


私の全部、フーにあげるからね ……!


「だからね、フーも私と結婚したらどうかなって思ったの。もう私も16歳だし、結婚できるよ。だから、私と結婚してお父さんの力使って、取られたイス取り返しちゃおうよ」

やられたならやり返しちゃえばいい。
やられっぱなしなんてフーらしくない。
ううん、フーもきっと悔しいはず。
だってフーはそういう人だから。


だけど、もうおじいさんはいない。


フーにとって一番の支えだったおじいさんは会社にいない。それだけじゃない。フーの味方をしてくれる人もいないって聞いた。フーは孤立無援だってお父さんは言ってた。


新しい会社にフーの居場所がないのは、「後ろ盾」がないからだって。


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