つま先立ちの恋
私はあの日、和泉を利用した。和泉の気持ちを知った上で、フーに傷付けられたことを忘れたくて。

だけどできなかった。やっぱりフーのことが好きなんだってわかった。私の中からこの気持ちを消すなんてことできない。

きっと和泉もそのことに気付いてるはず。


和泉はきっと私のこと軽蔑してる。


「灯歌ちゃん、、、」

だから、私は …………

「このまま終わるのを待ってちゃダメかな。だってもう和泉は知ってるもん。私がどんだけサイテーなことしたか。今更言わなくたってきっと、もう和泉は私のこと嫌いだって思ってるよ……!」


その時だった。


「バカにしないでっ!」


葵ちゃんでもないパペちゃんでもない、もちろん私の物でもない声が聞こえてきたのは。


ハッとなって振り返ると、真後ろの校舎の中。開いた窓を挟んでヒカルちゃんが立っていた。

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