つま先立ちの恋
「お願い、こんなことできるの葵ちゃんしかいないの!」

私は顔の前で両手を合わせて懇願する。葵ちゃんは可愛い顔で八の字眉。

「私が電話で柏木さんを呼び出すの~?」

『でも、どうやって?』

「いい質問だ、牛くん』

私はパペちゃんの左手におさまっている牛のパペット人形を指差す。今日はカエルくんはお留守番らしい。てゆーか、冬眠? 冬だから?


「簡単、簡単。葵ちゃんは普通に私の友だちとして柏木さんに電話してくれればいいの。で、私からチョコを預かってて、それを届けに来たって言って柏木さんを呼び出して」

「ふむふむ」

「柏木さんもフーも私じゃなくて葵ちゃんが来たとなると、そう邪険にはできないと思うのよ。で、その隙に私は直接フーの所へ乗り込む、と」

「なるほど」

葵ちゃんが閃いた時と同じ顔をした。

『で、ボクは?』

「パペちゃんと牛くんは私と一緒に来て。もし柏木さんが途中で戻ってきたりした時の為にも、私をサポートしてほしいの」

『らじゃー!』

元気良く短い手を挙げてくれる牛くん。なのにパペちゃん本人は無表情なんだからすごい。

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