つま先立ちの恋
「なんか責任重大…大丈夫かなぁ」

「心配いらないって」

『ボクも葵ちゃんが適任だと思うよ』


葵ちゃんはまだどこか不安そうな顔をしているけれど、私たちはそれぞれの肩に手を回して肩と顔を寄せ合い、円陣を組む。私の右肩に牛くんがいた。


「打倒、柏木さん! 目指せ、フー!!」


「「『きゅー・・・とろーーっく!」」』


いつもの合図を大声で張り上げ、私たちは人差し指と小指、それから親指を立てたその手を高く掲げた。


時は平成、季節は冬。


聖バレンタインの乱は、こうして幕を開けたのだった。


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