つま先立ちの恋
「うわ~、緊張したよ~。柏木さんの声、抑揚がないからいつ怒られるかと思ってヒヤヒヤしちゃった」

「ごめんね、葵ちゃん。ありがとね、葵ちゃん」

『グッジョブ、葵ちゃん。セクシーボイス、葵ちゃん』

抱き合いながらきゃいきゃいとはしゃぐ私たち。…なんかこれ、チョコを渡す本命が柏木さんなのかって勢いだけど。


・・・ま、いっか。


「では私はこれより、スタバに向かいます!」

何故か敬礼のポーズをする葵ちゃん。つられて私もパペちゃんも牛くんも、敬礼する。

「あ、葵ちゃん、ちょっと待って」

ごそごそ、鞄の中から私は例の物を取り出す。

「これ、柏木さんに渡してあげて。呼び出したのにチョコがないなんておかしいでしょ。一応ね、中にメッセージカードも入ってるから、柏木さんへって」

柏木さんとはいつもケンカ(?)ばかりだけど、でも、柏木さんはフーをいつも助けてくれてるからね。そのお礼ってことでチョコのかかったチェリーという、ちょこっとおしゃれな物を用意していたのだ。

「灯歌ちゃん…」

『かっこいい…』

ピース。

これくらいの気配りだったら私もできるんだってば。ま、これでちょっ~と私に甘くなってくれればいいんだけど(笑)
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