つま先立ちの恋
「……なんか、知らない所でいろいろと複雑なことになってるね」

は~、と感心でもしているかのようにため息をつく葵ちゃん。だけど、すぐに眉間に皺を寄せて泣きそうな目になる。

「あ~、もう、なんであの時すぐに気付かなかったんだろう、私のバカ!そうしたらもっとこう、もっと…ぐあぁぁ~もうっ!」

こっちもため息が出ちゃう。ああ、ダメ。ちょっと背筋をまっすぐ保つ気力もないや。テーブルに頬をくっつける。悔しい。握り締めた拳で何度かテーブルを叩く。

ああ、もう本当に私のバカ。もっと早くに気付いていたら、もっと別の言い方ができたはずなのに。

何が信じるだ。私のあの言葉をヒカルちゃんはどんな思いで聞いていたんだろう。ヒカルちゃんがどんな思いで…


『私がどんな気持ちになるのかも知らないで!』



本当だ……私、、、、。



「、、、、、サイアク。」


ぎゅっと、前髪を握りしめた。

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