つま先立ちの恋
私も葵ちゃんも、時間が止まった。呼吸すら危ういほどに。
パペちゃんはパペット人形と向かい合うように持ち、続けた。いつもの声で。
『たぶんね、和泉君云々って言うのはあの人たちにとっては関係ないと思うよ。ただ、それっぽく言ってるだけ。そうやって自分たちを正当化させようとしてるだけ。そう言えば同情してもらえるでしょ。そうすることで自分たちも被害者になれるし、守られるって知ってるんだ』
パペット人形は今度は私の方を見る。
『だけどね、あの人たちにとっては全部、ただの暇つぶし。退屈してるだけ。だから、ああいうことして遊んでるんだよ』
黒い瞳が私に語りかける。
『ほら、人の不幸は蜜の味って言うでしょ?飽きたらまた次の相手を見つければいいと思ってるから、だから、あの人たちには何を言っても無駄だよ』
淡々と語るパペット人形に、私は何も言えない。目を逸らすこともできない。心が震える。
『ボクにはわかるよ。あの人たちが言う言葉が。明日、灯歌ちゃんが文句を言いに行った時、どんな反応をするのか。たぶん、こう言う』
―……あんた、誰?
そう言って笑う連中の顔が浮かんだ。不思議なことに、なんでこんなに簡単に想像できちゃうんだろう。
私の心の中に浮かぶ疑問にパペット人形が答える。
『あの人たちはイチイチ遊び相手のことなんて覚えてないよ。終わった遊びのことなんて忘れちゃうんだ。』
………― こっちは忘れようとしても忘れられないのにね。
パペちゃんはパペット人形と向かい合うように持ち、続けた。いつもの声で。
『たぶんね、和泉君云々って言うのはあの人たちにとっては関係ないと思うよ。ただ、それっぽく言ってるだけ。そうやって自分たちを正当化させようとしてるだけ。そう言えば同情してもらえるでしょ。そうすることで自分たちも被害者になれるし、守られるって知ってるんだ』
パペット人形は今度は私の方を見る。
『だけどね、あの人たちにとっては全部、ただの暇つぶし。退屈してるだけ。だから、ああいうことして遊んでるんだよ』
黒い瞳が私に語りかける。
『ほら、人の不幸は蜜の味って言うでしょ?飽きたらまた次の相手を見つければいいと思ってるから、だから、あの人たちには何を言っても無駄だよ』
淡々と語るパペット人形に、私は何も言えない。目を逸らすこともできない。心が震える。
『ボクにはわかるよ。あの人たちが言う言葉が。明日、灯歌ちゃんが文句を言いに行った時、どんな反応をするのか。たぶん、こう言う』
―……あんた、誰?
そう言って笑う連中の顔が浮かんだ。不思議なことに、なんでこんなに簡単に想像できちゃうんだろう。
私の心の中に浮かぶ疑問にパペット人形が答える。
『あの人たちはイチイチ遊び相手のことなんて覚えてないよ。終わった遊びのことなんて忘れちゃうんだ。』
………― こっちは忘れようとしても忘れられないのにね。