つま先立ちの恋
そういえばフーに怒られることばかり考えてたけど、それ以前に私、お母さんに怒られるんじゃないか?夜遊びじゃないけど、こんな大人しかいないような場所に出入りしちゃって。しかもお化粧なんかもしちゃったりしてさ。お母さん、怒るんじゃないかな。泣いちゃったらどうしよう…

なんて考えてすっかり弱腰になってしまった私。

そんな私に気付かないはずがない明人さん。なのに私を追いつめることしか言わないってどうよ。

「さて、王子様はどこだろうね。」

振り返って睨んでやりたいのは山々だけど、筋肉が緊張しすぎて言うことを聞いていくれない。

マズイ、非常にマズイ。これはいかん。こんな状態でフーに会うのは…て言ってるそばから。


「ああ、居た。」

明人さんの短い言葉に、胸の奥の心臓が跳ねた。


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