つま先立ちの恋
心の準備をしながらフーが私の前で足を止めるのを待った。

大丈夫。私はだって、ずっと待ってたもん!


だけど、フーはいつだって私の気持ちに応えてくれないんだ。


「ホテルの人間に荷物を運ばせる。お前は部屋で待っていろ」

そう言ってフーはルームキーを私に差し出した。

「フーは一緒に来てくれないの?」

「お前…。俺が一緒に行ってどうする。さっさと着替えて降りて来い。俺は車を回しておく」

「え?」

帰っちゃうの?と言いたかったけど、その前にフーが言った。

「家まで送る。今日は俺の責任だ」

まるで、遮るように。
少し早口に片付けられた。

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