東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
目を伏せたままでユーが言う。
「最初にアイの中傷メールが出たとき、すぐに菊池さんがやったんだ、って直感したの……だから辞めるように抗議しに行ったんだけど……そしたら彼女に自分の言うとおりにしたら……あたしをイジメのターゲットから外してくれる、って言われて……それで……」
ここまで言うと彼女はポロポロと涙を流しはじめて、言葉を詰まらせてしまった。
「あたしが近藤さんに、栗栖さんが着替えてるところの写真を撮らせたのよ」
「ゆ、ユー…」
あたしも言葉に詰まって、これ以上なにも言えなくなってしまった。
“ニッポンでの最後の味方だと思っていたユーにまで裏切られてしまった…”
そう思うと、言葉に詰まるどころか、息まで止まりそうなほど、胸が締め付けられた。
「ね、ねぇ、ユー……う、ウソだよね……? ウソだと言ってよ、ねぇ、ユー!」
呼吸困難を感じながらも、彼女に詰め寄ろうとするあたし。
「あーもう、トイレのクリスさんはトイレから出てきちゃ、ダメだってっ。おとなしくしてよっ」