東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「あたしも観たい……マッキーのライブ」

「当日券も、あるんじゃね?」

「でも当日券なんて、きっとイイ席じゃないよ」


「ホラホラ、マッキーあるよ、マッキー」


ライブハウスから少し離れたところで“ダフ屋”のおじさんが、道行く人たちに手にしたチケットをチラつかせている。

「あのダフ屋のおじさん、きっとイイ席のチケット持ってんだろーな…」

どーせ自分でライブを見るつもりなんてあるはずがないおじさんが、イイ席のチケットを持っていることがうらやましいとに同時に、すごくもったいない気がした。

「バーカ。いくらイイ席でも、元の値段より何倍も高けぇチケットなんて買えるか、ってーの」

「だよね…」

軽く凹んでいるあたし。


「当日券でガマンしろ? 俺、カネねぇけど、さっき原宿でなんも買ってやれなかったし、お前ひとりぶんのチケット代くらいは出してやれるから、お前、観てこいよ」


「えっ…いいの?」

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