東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
原色のネオンサインで表示されたそれぞれのホテルの名前が、夜の闇の中に煌々(こうこう)と光り輝いている。
反面、そのネオンサインの輝きとは対照的に、辺りはシーンと静まり返っていて、これらの建物の中で複数のカップルたちが激しく愛し合ってるようにはとても思えなかった。
そして、あたしとアシくんもまた、もうすぐその仲間に加わるのかと思うと、クチから心臓が飛び出しそうだった。
だけど、さっきからかれこれもう10分近くホテルの中に入れないでいた。
あたしから誘ったんだし、もう覚悟はできてるはずなのに、勇気を振り絞って、いざ中に入ろうとしても、ホテルの前に通行人の姿が見える度に、恥ずかしくて入るのを躊躇して、自分も通行人のフリをしてホテルの前を素通りしてしまっていたからだ。
「ヘックション!」
不意に彼がクシャミをしてブルルッと体を振るわせた。
「ごめん、寒いよね? 中に入ろ?」
あたしは彼の手を引いて、ホテルの中に駆け込んだ。
そのとき、ちょうど通りかかった通行人に見られたのは分かってる。
だけど、あのヒトたちにあたしたちがどこの誰かなんて分かるはずなんてないし、そんなこと気にするだけ時間のムダだ。
反面、そのネオンサインの輝きとは対照的に、辺りはシーンと静まり返っていて、これらの建物の中で複数のカップルたちが激しく愛し合ってるようにはとても思えなかった。
そして、あたしとアシくんもまた、もうすぐその仲間に加わるのかと思うと、クチから心臓が飛び出しそうだった。
だけど、さっきからかれこれもう10分近くホテルの中に入れないでいた。
あたしから誘ったんだし、もう覚悟はできてるはずなのに、勇気を振り絞って、いざ中に入ろうとしても、ホテルの前に通行人の姿が見える度に、恥ずかしくて入るのを躊躇して、自分も通行人のフリをしてホテルの前を素通りしてしまっていたからだ。
「ヘックション!」
不意に彼がクシャミをしてブルルッと体を振るわせた。
「ごめん、寒いよね? 中に入ろ?」
あたしは彼の手を引いて、ホテルの中に駆け込んだ。
そのとき、ちょうど通りかかった通行人に見られたのは分かってる。
だけど、あのヒトたちにあたしたちがどこの誰かなんて分かるはずなんてないし、そんなこと気にするだけ時間のムダだ。