東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

「な、な、なんでそんな余計なことしたんだよっ…」

あたしの話を聞き終わるなりロムが声をひっくり返しながら言った。

「だからひと肌脱ぐって言ったじゃん♪」

イイことをしたあとは気分がイイ♪

「脱がなくていいよ、もぉ~サイアクだぁ……今日まで積み上げてきたお菊ちゃんとの関係が、クリスのせいで木っ端微塵だよ……」

泣きそうな顔をして、その場に立ち止まる彼。

「諦めるのはまだ早い、って。あのコ、“ロムが自分でコクったら考える”って言ってたよ」

「ソレができたら苦労はしないよっ…」

「だ~か~ら~、苦労してGetするからこそ、値打ちがあるんじゃない。あのコが欲しかったら死ぬ気になってattack(アタック)あるのみ!」

ロムのおしりをポンと叩くあたし。

歩き出す彼。

「“死ぬ気になってアタック”って、なんか昔の青春ドラマみたいじゃね?」

「shit!(シット!) あたしとしたことがジャパニーズ武士道の真似をするなんて、Oh,my God!(オーマイガーッ!)」

自分で自分がイヤになる。

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