東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~
「大夢にやるつもりなら辞めといたほうがいいぜ。アイツが欲しいのは、お菊からの本命チョコだけだろうしな」
「ロムにも“義理チョコなんていらない”って言われたよ」
「俺は“義理”でも全然オッケーだから、愛ちゃん、よろしくな♪」
「うん、いいよ♪」
ロムも、デカ島みたいにもっと単純に喜んでくれたらいいのに…って、あたしは思った。
「もちろん本命チョコなら、さらにオッケー♪ 大オッケー♪♪」
上機嫌なデカ島。
「なぁ、こんなこと言うのはどうかと思うんだが、ロムはお前のことなんて全然見てねぇんだし、それならいっそのこと俺と付き合ったりしねぇ?」
自転車のペダルをこぎながら、すごくフツーな感じで言ってるけど、よくよく考えるとコレは彼からの“告白”だった。
「あたしがデカ島とぉ~? フフッ♪ そのjoke(ジョーク)けっこーウケるかも♪」
だけど軽い感じで受け流すあたし。だってマジ告白だなんてとうてい思えないし。
「冗談じゃなくて、マジ、俺はお前と付き合いてぇ」