東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

そんなことを考えているうちに、なんだか急にペダルが重たくなったような気がしたのは、あたしの気のせいだったのかな――――



      ×      ×      ×



翌日、教室でロムに、デカ島のことは伏せて、凱のお店“王様のショコラ”に行ったことだけを話していると、そこに帯刀先生がやってきて帰りのホームルームがはじまった。

あたし的には、つまんない話が延々と続いて、あくびを必死でかみ殺していると、彼はようやく話の結びに入った。

「…以上で連絡事項は終わりだが、最後にお前らに大事な話がある」

“そんなあらたまったようなこと言っても、どーせたいした話じゃないんでしょ?”と、あたしは思った。なんでもいーから、早く話を終わらせて。


「お前ら、私のことをカタブツのボクネンジンだと思ってるのかもしれないが、なにも今の時代に“男女7歳にして席を同じうせず”なんてことは言わん。だがな、私は言いたい、男女交際は節度を持って行なえ、と」

誰もが、まさか帯刀先生のクチから男女交際の話題なんて出るとは思っていなかったらしく、たちまちクラス全体がザワついた。

「おーい、大事な話するんだ。静粛にしろ」
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