東京エトランゼ~通りすがりの恋物語~

そう言って出欠簿で教壇の上をパンパンと叩く先生。

おとなしく教壇を向くクラスのみんな。

すると先生はおもむろにクチを開いて、ココでなぜかひとりの生徒の名前を呼んだ。


「古内」


「はい…?」

突然、先生に名前を呼ばれて驚くロム。

あたしも驚いたし、そしてクラスのみんなも少ながらず驚いていたと思う。

「名前を呼ばれたら起立だ」

「は、はい…」

ロムは、ゆっくりとひざの裏側で椅子を押しながら立ち上がった。

「節度のある男女交際とはなんだ? 言ってみろ?」

「せ、節度のある男女交際ですか…? そ、それは……」

“なんて答えたらいいのか分からない”ってカンジの表情で、うつむくロム。

「お前、最近は勉強熱心になってるようだし、私もお前のことを評価していたんだが、それなのに、なんだ? お前は、なにをやってるんだ?」
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