【短編集】僕達の夏
「やっぱりさぁ。恋をするって言うのは"自分"てものが二の次になっちゃうんだよねぇ〜」


…あれ、葵ちゃんなんか語り出しちゃった。


「今までの自分の価値観とかプライドなんて簡単に変えられる力があるよ。"心を奪われる"って言うくらいだもん」



…………あ、そうか。
言われてみれば、そういうのも有りだ。

なんか「あたしうまい事言った」的な顔してる葵ちゃんがちょっとイラッとするけど。

そうか。
頑ななだけでもないんだ。

これは葵ちゃんに感謝だ。
よし。
残りのお弁当食べよう。












「まぁそんな感じの事があったんですよ〜」
「へぇーそれはよかったですね」

「でもやっぱりまだまとまるには程遠いんですよねぇ〜あ、おいしーこのクッキー」
「気に入られたようでしたらお帰りの際包んで置きますね」
「わーいありがとうございますー」


「……………ちょっと」

マスター特製らしき絶品クッキーを口に放り込みながら隣を見ると眉間にふっかい皺を作る人形。
こんな顔でも人形って可愛いんだなー。

「どうやって来たのよ」
「んーわかんないんだよねー」

人間簡単に迷えるもんだネ。
アハッ☆

「それだけ芦子さんが真面目に課題と向き合っていると言う事ですよ」
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