macaron-マカロン-   *イケメンアイドル's Love life*
アキラが風呂から上がると、レイアはソファーの上で寝息をたてて眠っていた。


TVは点けっぱなしだ。


アキラは少し残念だったが、どこか安心したような気持ちでレイアの顔を覗き込んだ。


風呂上がりの清らかな肌に、柔らかそうな桜色の唇がアキラの胸を駆(カ)り立てる。


アキラはレイアの体を抱き上げると、自分の部屋に向かった。


部屋に入ると、アキラはレイアをベッドの上に寝かせた。


すやすやと眠るレイアの頬を優しく撫でると、アキラの手は止まった。


再び唇に目が行く。


アキラはゴクリと波唾を飲み込むと、逃げるように部屋から出た。


リビングまで戻ると、丁度TVに《SOUL》が出ていた。


深夜の音楽番組だ。


今月出したシングルがチャートで1位になった為、プロモーションビデオが流れていた。


甘い歌詞がメロディーに乗って流れている。歌詞を書いたのはカイだ。


レイアの事を想って、書いたのだろうか?


そんな考えがアキラの頭をかすめたが、チクリと胸が痛んだので、これ以上考えるのを止めた。


TVでは切なげな表情のアキラが、胸を押さえて歌っていた。
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