『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「あ、ひかりちゃんの部屋はこっちだから。ついてきて。」
心さんの案内で2階へあがり、またまた驚いた。
私の部屋って・・・・
なんじゃこりゃ~!!!
20畳はありそうな部屋に
天蓋つきのベッド、
レースのカーテン。
高級なのにいやらしい感じがしなくて、むしろ落ち着いた感じがする、
クラッシックな、
とても
センスの良い部屋。
・・・なんだろうけど、
”ひかりちゃんの部屋”
という、
金の天使つきのプレートまでかけられたその部屋は、
一言で言うなら”お姫様の部屋”というのがぴったりのもので。
外から見て、かなりな豪邸だってことはわかった。
玄関に入って、本当にお金持ちだってこともわかった。
でも、でも、これはないでしょ~。
一応分譲だけど、3LDKのマンションに、母子二人で慎ましく暮らしていた私には、ついていけそうもない。
「あははは、やっぱり親父の趣味悪いよなあ。
今時の女の子の趣味じゃないもんな~。今度一緒に好きな家具買いに行こうか。」
苦笑いをしている心さんの顔には、
『ごめん、親父がこうしたいって言い張って聞かなくて』
と書いてある。
「いえ、ちょっと驚いたので。」
作り笑いを浮かべながらも、『好きな家具を買いにいこう』という、心の発言を
私は聞き逃さなかった。
まだ再婚するかどうかもわからない相手のために、家具を揃えるって、どんだけお金持ちなのよ!