『私も歩けばイケメンにあたる♪』
昨日の”事件”以来、水沼家にいづらくて、私は朝一で雅を呼び出した。
以前のような、徒歩10分、というような距離ではないが、
電車を使えば、お互い30分程度で中間地点に着いた。
駅前のファミレスは、昼の時間前なせいか、わりと空いていて、
私と雅の注文した日替わり定食はすぐに届いた。
「それで?どうしたの?」
雅は、ぐいっと私に顔を近づけて、真剣な表情で尋ねる。
「どうしたも、こうしたも。
私の悲鳴を聞いて、皆起きてきて大騒ぎになっちゃったよ。
もう穴があったら入りたい、って、こういうときに使うんだよ。」
私は、半泣きになってつぶやいた。
いや、実際泣いてたかもしれない。
昨日は驚きの連続で、
さすがにもう驚くことは絶対にありえないと思ったのに!!
そう、私は覗いちゃったのだ!
トイレを!
男子を!
しちゃってるところを!
ありえない!!
なんで鍵かけないのよ!!
私を痴女扱いした彼が、次男の清であることは、
まっさきにかけつけた心さんによってすぐに判明した。
「ああああ、もう嫌だ。」
私は人目もはばからず、大きな声を出して頭を抱えた。
「で?
その次男もイケメンだったわけ?」
雅は、落ち込む私にお構いなく話を続ける。