『私も歩けばイケメンにあたる♪』
「イケメン~?」
何度もトイレで会った彼の顔を思い出そうとするが、今ひとつ思い出せない。
多分、思い出すことを脳が拒否してる。
だって、最初の出会いがトイレだよ、
ト・イ・レ!!
たとえどんなイケメンだろうが、
かっこいいなんて思うはずがない!
「ショックで忘れちゃった。」
私の不明瞭な答えに、不満そうな顔をして、雅はハンバーグをほおばる。
「ま、気にすることないでしょ。
たいしたことない、ない。
再婚したら、兄弟になるわけだし。
ひかりが覗かれたわけじゃないし。
そんな二人は、くさい仲~♪なんてね。」
冗談めかした雅の言葉の中に、
嫌な単語を見つけてしまった。
・・・サイコン・・・