鬼畜な俺様執事


少しだけ緊張した面持ちで、朔夜は私の頬に触れた。



そっと近付き、私の額にキスをする。



そして、これ以上近付けないくらいに私を抱き締めた。



いつもと少し違う雰囲気の朔夜に、私は戸惑いを隠せない。



静かな時の流れの中、潮騒の音と、朔夜の鼓動が私に響いてくる。



このまま溶けてしまうんじゃないかというくらいの抱擁。



温かい朔夜の熱が、私に流れ込んでくる。


< 376 / 385 >

この作品をシェア

pagetop