Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
メロンゼリーを食べながら
マキちゃんが話し出した
目線は床の上の、Playman
「…うちの母親はね
結婚するまで、家にいて
結婚してからも家だから
世界の中心、て言うか
家が、全てなのね」
「うん」
「父親は仕事でいない事多くて
小さい時から、アニキに、頼る?」
「…子供なのに?
お母さんが、頼るの?」
「うん 溺愛って感じで
私は放任だったんだけど
アニキ大学入った頃から、家あんまり
帰って来なくなって
大学まで迎えに行ったりして
一時期大変だったのよ…
辞めさせるとまで言い出して
で、さすがに父が怒ってね
大泣きして、次の日からは
「タカコ タカコ」になった
最初は嬉しかったけど
…高校卒業したら、見合いして
家に住めとかね」
「…そ、それはちょっと、キツイね」
喉でゼリーが、鳴った
「ユリは
家が商売やってるから子供の時
殆ど構って貰えなかったらしいし
シノは再婚で、お母さん新しい人だし
皆 色々あるんだよ…
私が文句言ってるのは
本当は、すごく贅沢な事なのかも
しれない…
家出してやるって思い付いた時
真っ先にアニキの所、電話したし
…だから
『ジュラ紀から出直して来い』って
言ったんだと思う…」
「家族だからかぁ…」
私がお爺ちゃん、お祖母ちゃん所、
行くみたいなモンか…
「そ しかも、どっかで
"アニキの所行けば
青山さんに会えるんじゃないか"〜
って、下心付き」
「……………ええええ?!
ちょっ待って!どゆ事?!
わ、私みたいに去年のライヴで
青山さん好きになっちゃったって事?!」
―――――― どゆこと?!
マキちゃんはまるで
青山さんみたいに
グラスを目に充てて、
ニッコリ笑ってみせた