Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
『…おまえ 高校卒業したら
どうするの』
「……わ わかんない
ユリちゃんと、
地元の短大行こうかって
話してる位で
…もうきちんと
決めなきゃいけないんだけど…」
『…俺と 暮らす?』
「…………え 」
『…冗談
青山さんだったら、
そうするかなと思った』
「…青山さん」
『………音楽が、"CheaーRuu"が
今はあの人を引き止めてる
本来なら、全部捨てても
…アズに誰が居ようが何しようが
…アズの中でだって
間違い無く、青山さんが一番デカい
…なのにお互い
関わってる人間への気遣いやらで
動かずにいる
……それが俺は悔しくて仕方ないんだ
どちらかが腕を開けば
今すぐにでも、元に戻れるのに
そもそも今日だって
じれったくて仕方なかった…』
「…でも、凄く
綺麗だったよ」
『…あんな綺麗な二人 いない』
「…うん」
『…おまえ
自分で歌おうとは、思わないの』
「―――― 無理だよ
何いってんの……」
『…コンテストの時は
歌ってたじゃん』
「…あれは…仕方なく…
それに、周りに…あんたとか
アズさんとか…
とんでも無い人が多すぎて
恥ずかしくて歌えないよ…
セッションしようって言われた時
青山さんに、その場その場で
コード教えて貰わないと
とっさに合わせる事も出来ないんだ…」
『…素直な声で、俺は好きだよ』
「……でも
前に、あんた、言ってたでしょ
歌は うたえるから歌ってる
ホントにやりたい事は、別だって
私は、……自分の声質とか
歌い方とか
…自分がうたいたい所とは
掛け離れ過ぎてて…」
『…ミュージシャンぽい発言』
『彼』は天井を見上げて
少し喉を反らして、笑う
「…うるさいなあ
それにここ最近は、ベース弾いてると
楽しいし…」