Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



『…どうしたの』


「……なんか
ミュージシャンは
皆、
シド&ナンシーみたいな恋が
当たり前って
どっかで思ってた」


『……そんな事、あの二人は
一切、望んでなかった』


「…………うん。 」


『…神様はすぐ
綺麗な物を、壊そうとするんだ…』


「…―――だから、
見張ってるの?」



『…当たり

空哉さんも、池上さんも
皆、
…あの二人が好きなんだ』



「…うん」


『……ユカは アズを
どう思う』


「……まだよく、わからない
悪い人じゃないのは解る
何か、あの人女の人だけど

なんか、
見詰められるとクラクラするし…」


『彼』が、大笑いした


『…そうらしいね
メイクの人とか、そんな事言ってる』

「…やっぱそうなんだ…」

『…うん』

「……ただね」

『うん』


「…綺麗な人ってね
私に会ったり、紹介されたりすると
『いや〜ん カワイイ〜』とか
周りにアクションするんだ

"小さい子を可愛がる優しい自分"アピール?
優位に立ってる余裕?

捻くれてるって、
お母さんに言われたけど…
別に、本当に思ってくれたなら
後で言ってくれればいいし
皆が居る前で、する事ないでしょ?

私、ペットとかじゃないしさ…


…それをしない人は
アズさんが二人目だったから
かなり株価が上がった…」


『……多分、一人目は、空哉さんの妹』

「え!何でわかんの?!」

『…そういう人っぽいじゃん』


「…あんたから見ても
マキちゃんは魅力的?」


『…普通の人』


「………やっぱり基準ヘンだよ…
あ、聞いたのが間違いか…」



――― ドアが ノックされた


「はい!!」


「ご飯だよ」


青山さんの声だ

「――…はい!!今行きます」


『…先行ってて
挨拶して落ちるから』


「? う、うん」


『彼』はキーボードに向かって
何か打ってる


私は先に、階段を降りた






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