Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜
「…あ クウヤか?
ああ 俺
これからアズがそっち行くけど
今、スタジオの上に居るんだわ
花火大会があるとかで
女の子達も居るし、
一緒に行きたいみたいなんだ
んでさ
こっちに絶対戻して貰えるか?
…うん ありがとう
それじゃ、後で」
ピッ と ナカマさんは
携帯を切った
「さ、これで平気。
皆も、着たい浴衣決めましょうか」
「……ナカマさん
ゲイさんじゃ ないの?」
「ん? ナカマはオカマよ?」
「でも今…」
「"お仕事用"ね。
テレビなんか出る時は
オネエ言葉のがウケが良いけど
クウヤとは、仕事仲間だから」
「……なんか、大変そう」
「あら、アナタ
バイト先でお客様にも
タメ口聞くの?
それと一緒よ」
「………」
しばらくしてアズさんが
アニキと一緒に帰って来た
プロのメイクの手にかかった
プロの『歌姫』は流石で
――― ため息が出る程
綺麗になった
青い浴衣の首筋が
人形みたいで
それを目前で見た私は
もう、嫉妬する気も起きなかった