Turquoise BlueⅡ 〜 夏歌 〜



ユリちゃんとアズさんが戻って来た

ナカマさんはユリちゃんだけに
またコソッと耳打ち


横で鞄をいじりだした
ユリちゃんに、
何なのか聞いてみた

「…どうしたの?」

「…アズさん、
窓から逃げたりするから
見張っててって〜
それで、ありがとね って」

「アハハ」



「……あっ あの!アズライトさん!!」


―――裏返った素っ頓狂な声を
シノがいきなり出した


「はいっ!!」

「…あっ
アズライトさんの本名って
"アズル"で良いんですか!」

「はい!そうです!」

「…アズルって、呼んでもいいですか?!」

「…………も もちろん、です!!」

「やあ〜!!シノ狡い〜〜!!」

ユリちゃんが、本気で責めてる

アズさんは
胸の前で、指を組みながら


「…じゃ あの
えと… シノさんって…呼んでも?」

「シノって、
呼び捨てオッケーですから!」

「あ、私も〜!ユリって
呼んで下さいね〜!
澤村ユリです〜!」



アズさんはかなり、瞳を輝かせてる

そして

「…シノと、ユリ…?」

『 はいっ!!』

シノとユリちゃんが
同時に、叫んだ



「アズさん」

マキちゃんが、名前を呼んだ


アズさんも
ゆっくりマキちゃんの顔を見て
「 はい 」と、微笑む


「…真木タカコです
タカコ、マキ、
好きな方で呼んで下さい
…よろしくお願いします!」


マキちゃんは、頭を下げた

アズさんも
「よろしくお願いします!」と
深く、頭を下げた



――― アズさんは
マキちゃんが青山さんを好きな事
知ってるのかなあ…


そんな事を考えていたら
ナカマさんが
ハンカチを出して

「…いい光景だわあ!!
アタシこういうの弱いのっっ」と

アズさんにしがみつきながら
号泣していた







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