カラフル・バニー
絶叫した栄は、大きく顔を歪める。その顔は、今にも吐き出しそうだった。


「え…栄、渚のお兄さんて楓さんて言うの?」


怒り狂った栄を、どうにか止めようとあたしは話しかける。

栄の動きは一旦止まり、目先を変えた。そして悲しげに話し出す。


「…そうよぉ。楓さんは、由紀の次に私が好きだった人なんだから」


栄がとんでもない事を言い出した。


「そ、そりゃまた災難だったね」

「楓さんを返せー!」


そんな栄をよそに、見慣れない顔の2人組が、近づいてきた。


「浬子ちゃん、栄ちゃん」


その内の1人に突然名前を呼ばれる。もう1人は俯いたままだった。
< 119 / 150 >

この作品をシェア

pagetop