スリーズ・キーノート



「大丈夫、お前なら大丈夫だよ。」
「イチ……。」
腹が大きくなって、動ける制限が出てきたシノリ。
俺は二、三日に一度、シノリが入院してる病院に足を運んでいた。喧嘩別れしたような俺が来た事が以外で、最初はよそよそしかったが、もう今は前のように話せるまでになった。
「ありがとう、イチ。」

笑うなよ。

あんなひどい事をした、俺に笑い掛けるなよ。

俺は罪滅ぼしのつもりで、シノリを支えようとした。拒絶されると思っけど、シノリは笑う。泣きはらした目で笑う。
何度も何度も、心の中で謝っていた。言葉には出来ない。俺がやった、全ての事がバレてしまうから。

俺は、自分が可愛かったのだ。己の保身ばかりを考える臆病者。
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