中絶~僕は君を殺したい~
8-2 えがお



「子供はね、女の子だって。」





「もうわかったの?」






「前のけんしんでね。」




「ごめん。ぼくがいけなくてさ。」




「いいの。それより仕事して家族をやしなってね。パパ」




「まずは元気にならないとな。ママ」




そういうと本当のかぞくになれそうな気がしていた。



ぼくらはきっと幸せになれる。



そうじぶんが信じなけりゃダメだ。



・・・効き目にはまる気持ちが少しわかったな。



ふしぎなくらいおだやかな気持ちになる。



「なにかあった?きょうはなんか・・・」




「まぁ色々ね。それよりも女の子ならさ、春香でいいんじゃないか?」




「もうすぐに春が来るからでしょう?」




「ばれたか」




「そんな決め方するならこの本いらないじゃん。」




「いいんだよ。愛があれば」



なにそれ、と笑うあき。



あきが最後に見せた笑顔はとてもかわいかったんだ。




ぼくは子供にそう話すつもりだ。



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