リアルシティー〔前編〕
 「三つめは、このゲームは少し前にリバイバルでブームになったタマゴッチのように育成機能を持った対戦ゲームです。皆様が食事をした時、モニター装置を専用コードで第3世代携帯に接続し、皆様が携帯カメラで撮影した画像を携帯のメール機能を使用してセンターに送信します。それがゲームキャラクターの食事になります。それで少しパケット代がかかります。」
『それで、携帯の機種を聞いんだ』綾子は納得した。
「今日、お集まりの皆様には謝礼として3万円お渡しします。モニターが確定した方には、更にパケット代として2万円を追加して5万円をお渡しします」
拍手が起こった。
「簡単ですが、概要説明は以上で終了します。超機密事項であるため、詳細な説明はモニター参加確定後に別室で行います」
「え~っ」
また声があがった。
 椎名久美子が遮った。
「申し訳ありません。これから先は、先ほど説明がありました3つの条件を了承していただき、誓約書にサインしていただきいた方のみ、別室にご案内します」
会場がざわめいた。
 「すいません」
また、恵子が切り出した。
「先ほど対戦ゲームと言ってましたが、女性は不利じゃないですか?」
「いろんな対戦ゲームには、女性キャラクターは一杯います。このゲームも数種類の女性キャラクターを用意しています。それに、男女どちらのキャラクターを選ぶかは、皆様の自由です」
「よろしいですか?」
 「では、3つの条件を了承していただき、モニターを引き受けていただける方はお立ち下さい。」会場内にどよめきが広がった。
「はい、ありがとうございました。ここで、10分間休憩します。モニターをお引き受けいただける方は、10分後にお席にお戻り下さい。もしお引き受けいただけずにお帰りになる方は、私まで申し出て下さい。本日の謝礼として3万円お渡しします」
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