感方恋薬-かんぽうこいやく-
「ふむ…そうか、一考しよう」


「で、用事なんだけど」


あたしは唐突に話題を変えた。


「おお、そうじゃったな。なんじゃ用事は?」


「昨日作った薬、弟が試してみたけど効かなかったって言ってるんだけど」


「ほほう」


爺はあたしの前に回り込むと鬚を弄びながら、あまり意外では無いという表情であたしを見た。

< 116 / 327 >

この作品をシェア

pagetop