感方恋薬-かんぽうこいやく-

「どれ、ちょっと貸してご覧」


老人(と、思われる)は、あたしから
今作ったばかりの薬が入った瓶をする
りと取り上げると、何か念みたいな物
を込めて(そういう風に見えた)から、
あたしに返した。


「これで、この薬は完成じゃ。但し、
効果は次の金曜までじゃぞ」


あたしは、受け取った瓶を胸に抱き抱る
と、こくこくと頷いた。


「じゃぁ、そういう訳じゃ、又会おう」


老人はそう言うと、あたしの前から、ふ
っと姿を消した。


同時に、あたしは油切れロボット状態か
ら解き放たれて、逆に全身から汗が、ど
ばっと噴き出した。


「な…な…なぁに…今の…」
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