感方恋薬-かんぽうこいやく-

第5節

あたし達は一緒に教室を出ると、そのまま学校の玄関に向かった。


靴を履き替えてグランドから校門に向かう最中、バスケ部のランニングに付き合う則子に出くわした。


則子はにたにたしながらこちらに向って小さく手を振りながら何かを繰り返して言って居る。


あたしの読唇術によれば「がんばって」と言って居る様だ。


あたしは不思議に思った。


何を、どう頑張れば良いのだろう。


まあいいやと思いつつ二人並んで歩いて校門を出るとバス停に向かった。

< 144 / 327 >

この作品をシェア

pagetop