感方恋薬-かんぽうこいやく-
「残念だが、これは郷土史では無いね。何というか、こう、何かの薬を作る方法が書かれて有る巻物だよ。貴子君の御先祖様に薬剤師見たいな人がいらしたのでは無いかね?」


「さぁ、それは祖父か祖母にでも来て見ないと何とも言えないですが」


「ふむ、そうかね。一応分かる様に訳文を書いた紙も付けておいたので、それを参考にしたまえ」


「はい、有難う御座います」


あたしは、巻物を返して貰うと心の中でぺろっと舌を出し職員室を後にして教室に向った。
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