感方恋薬-かんぽうこいやく-
「特に制限はせんが、これからお前に教えて行く薬の製法は、出来るだけ秘密にしておく事じゃ」


「え、やっぱりそうなの?」


「当たり前じゃ。人間、薬は良い方向に向って使うとは限らんからのう。ま、聞かれても、知らぬ存ぜぬで通す事じゃ。もし、本当に困っている者がおったら作ってやる事じゃ」


「じゃあ今回の場合は?クラスメートに頼まれたんだけど」


「まぁ、大負けに負けて、薬を渡すのは良いじゃろう。が、作り方は秘密じゃ」


「うん、分かった」
< 194 / 327 >

この作品をシェア

pagetop