感方恋薬-かんぽうこいやく-
「そうですか。効きましたか」


幸はにこにこしながらあたしに向って話し掛けた。


「いやその、何と言うか、え~」


「いえいえ、その反応を見せて頂ければ十分です。効果が有る事が分かりました」


そう言うと幸は、満面の笑顔を浮かべて満足げにあたしの前から立ち去った。


さて、困った事に成ったな。


爺には薬の作り方は、出来るだけ秘密にする様に言われて居る。


まぁ、絶対秘密と言う訳では無いので秘密が漏れたから、おまえをこの世から抹殺する。
みたいな事には成らないだろうが確かに、この手の薬が、うじゃうじゃ出て来るのは世間的に問題だ。
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