感方恋薬-かんぽうこいやく-
あたしは、ソファーの中央に座っていた弟を、足で無理矢理端にどけると、弟の隣にすとんと腰を下ろした。


そしてテレビを見て居る弟の横顔を、まじまじと見詰めた。


その視線に弟が気が付いて


「な、なんだよぉ、何か悪い事でもした?」


弟よ、あたしに対して卑屈になる癖は、直さないとイケないぞ。あたしが、いつも苛めてるみたいじゃ無いか。


「いや、別に何も」


「だったら、こう、じ~っと見詰めるのはちょっと止めて欲しいんだけど」


「なんでよ?」


「なんか、こう、やりにくいと言うか、居づらいと言うか…」
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