感方恋薬-かんぽうこいやく-
弟の顔が目に見えて赤くなって行くのが見えた。


「姉貴、そんな事、真顔で聞かれても困っちまうよ」


「そうなの?」


「そうなの!」


「ふ~ん」


そして弟は、又しても視線をテレビに移した。しかし明かに動揺が見られる。どうやら、テレビに集中出来なくなってしまったらしい。


「なんで、そんな事聞くんだよ」


今度は弟からあたしに質問が来た。


「だから、何と無くだって言ってるじゃない」


あたしの表情をまじまじと見あげた弟は、にっと笑うとあたしに答えた。
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