感方恋薬-かんぽうこいやく-

第5節

「則子お願い、あたしの話も聞いて!」


「被告人に弁明の余地は無い!」


「そこを何とか曲げて、ね!」


「ね!じゃない。兎に角、紀美代の話は全て信じるに値する。従って、貴子、あんたが全部悪い!」


則子もびしっとあたしを指差す。うぅ、やっぱしあたしが悪いんだろうか…何だか自信が無くなって来た。


「しか~し!」
と、則子が否定の言葉を発した。
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