感方恋薬-かんぽうこいやく-
「則子さん、あたし負けません!」


紀美代は、がっちりと紀子の手を取って二人で見つめ合っている。


「紀美代、頑張るのよ。さあ、貴子、あなたはどうするの?」


どうするって…どうも出来ないだろ。あたしははっきり言って、こんな勝負に関わり合いに成りたくない!


「逃げませんよね貴子さん!」


紀美代、逃げるも何も無いでしょう、あたしにその気は無いんだ!だから紀美代が好きにして良いんだよぉ!


「に、逃げるとかそんな事じゃなくて…」
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