感方恋薬-かんぽうこいやく-

第7節

「どうしたんじゃ?気にしないのであろう?なんじゃ、奥歯に物が挟まった様な態度で」


「うんうん、分かった。それで良いんだ、それで」


あたしは、何か引っかかる物を感じて居たのは事実だが、紀美代とも則子とも幸とも仲たがいするのは嫌だったので、無理矢理自分を納得させた。


負けたら負けたで仕方が無い。


それが運命だったのだ。


そして、それで全てが丸く収まるのなら。そう思う事にした。


         ★


さて、次の日から紀美代の猛チャージが始まった。


先ずは昼休み。


「ハイ幸雄さん、お弁当です」
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