感方恋薬-かんぽうこいやく-
「ほほう、自信を持つ事は大事じゃが過信は禁物じゃぞ」


「分かってるって。あたしはこれでも臆病な方だからね」


「…臆病…のう」


「なに口籠ってるのよ、爺!」


あたしは、シナモンスティックを投げ付けんばかりの勢いで、爺に向かって振り返る。


「その態度の何処が憶病なんじゃ?」


「見りゃあ分かるでしょ、このか弱い乙女のハートを」


「針金の様な毛が生え取る様じゃが」


ぴしっ!
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