感方恋薬-かんぽうこいやく-

携帯を握りしめてあたしは部屋の真ん中に訳が分からずに立ち尽くした。


「何故効いたか?うん?そんなの簡単じゃよ。効く様に作ったから効いたん
じゃよ」


そ…そんなハズ無いだろ!あたしの心が猛然と反論した。


偶然だ。偶然に決まってる!


「効く様に作ったって言ったって近所のお菓子材料店で揃えた材料ばっかしだし、作り方だって出元はインターネットのサイトだし、それに…それに…そ・れに…あたしは…誰と話してるんだ…?」


一瞬間を置いてあたしは気が付いた。


そう、あたしは誰と話してるんだ?
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