感方恋薬-かんぽうこいやく-
「お前な、御姉様に対して口の利き方が間違ってるぞ。目上の人間が目下の人間に対しての言葉使いが乱れる事で。日本の治安も乱れて行くんだ!」


あたしの言葉に、弟は、はぁ…という表情を見せながら聞いて居る。


でも、あたしには一応実績が有る。


則子に渡した薬を、もう一度作ってみようと思ったのだ。


そして、万が一、もう一度聞く様な事が有れば、良い金ズルになるかも知れない。


弟よ、姉の力にひざまづいて経緯を表するが良い。


それに、ひょっとしたら、あの爺も現れるかもしれない。


一度なら偶然かも知れないが、二度目となれば必然と成って、偶然とは言えないだろう。そうなれば、あたしは爺から全ての技術を受け継いで、左団扇で暮らす事も夢では無いかも知れぬ。

思わず頬がゆるんでしまうじゃねーかい。
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