感方恋薬-かんぽうこいやく-
うう、確かに得体は知れないな。


なにしろあたしもこれは得体が知れない奴に習ったんだから。


「まぁ、しょうが無い、成功報酬で手を打とう。可愛い弟の為だ」


あたしは、裏打ちの無い自信により両手を腰にあてがって少しふんぞり返っ
た。


「姉貴…」


「なによ?」


「早く顔洗わないと遅刻するぞ」


何を言ってるんだと言う表情で壁の時計に眼をやると、あたしは全力で歯磨き洗顔朝食を済ませて家のドアから飛び出した。


        ★


いつものバスは乗り損なってしまったが、その次のバスでも、ぎりぎり始業時間には間に合う。
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