砂漠の王と拾われ花嫁
* * * * * *





ふわふわのクッションの上の莉世はラシッドの隣で微笑んだ。


「何を笑っている?」


ラシッドはもう一度莉世を引き寄せ顔を近づけた。



「だって・・・結婚式・・・」


莉世がニコッと笑って言うとラシッドの口元に笑みが浮かんだ。





誓いの言葉が終わるとラシッドは莉世を抱き上げ、そしてなぜか真っ直ぐ厩舎に向かいガラーナに乗せられたのだ。


目的は2人が始めて結ばれたオアシス。


オアシスに到着すると莉世の驚きは更に大きくなった。


泉の傍に大きな赤いテントが張られていたのだ。


そして中は豪華な絨毯が敷き詰められ真ん中には2人が眠るには十分のベッドが置かれていた。


用意をするには大変だっただろうなと莉世は申し訳なく思う。


だけど最高に幸せな時間。



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