[短編]愛しているから

母の顔を見て疑問に思った



「父さん」


「なんだ」



「顔は切ってないんだね」




血はついている

でも、傷がない



あんなに切り刻んでいたのに



「父さんと母さんはお互い笑顔が一番好きだった。だから、傷つけたくなかったんだ」




愛おしいという瞳で父は母の顔を見た



「じゃあ、どうして殺したの?」



「他の男に手を出したから…」



父は母の髪を撫でながら言った





初耳だ。




母はそんな事しないと思っていたから
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