アタシ

「もういいよ。」
ようやくサトシがそう言ったのですぐ口を離した。
「７０００円、ちょうだい。」
苛立っていたこともあり、無機質な声でそう言うとサトシは車に財布があるから送ってから渡す、と言いアタシを車に乗せた。
　家の近くまで来ると、サトシはいかにもうそ臭い感じで
「ごめん、財布家だった」
と言い放った。は？とアタシが言うと平謝りを繰り返した。
「今すぐ家に取りにいこう。」
「いや、俺これから仕事だから無理。」
「何それ。約束と違うじゃん。今日くれなきゃ困るんだけど。」
「マジ今から札幌行かなきゃいけないから無理なんだって。」
さっきまでもっともっと～ってフェラをねだっていたのは誰でしたっけ？とか思うと段々アタシの苛立ちもマックスに近づいてきてしまった。
「てめぇ嘘ついたべ！！！！ぶっ殺すぞコラ！！！！！」
そう怒鳴るとサトシは腰が抜けた、と言った様子で、それでもずるい目をして
「明日必ず渡すから！！」
と言い、アタシを無理矢理車から降ろした。こいつには今、何を言っても無駄だ、そう感じたアタシはサトシに「明日５時にここに来て。絶対に。」と言い家に帰った。