。☆゜星空゜☆。


あたしはお正月の3日間、ずっと家から出なかった。


というよりも、部屋から出られなかった。誰の顔も見たくなくて、誰とも話したくなかった。
 

年が明けて、翼と年越しができなかった悲しみで、現実を思い知らされた。


ベッドからもあまり起き上がらなかった。


少し体勢を変えるだけで声をあげたいくらい肋骨に響いて……。


もはや動くことすら自分の体が拒否していた。


笑うことも、喜ぶことも、怒ることも、もうそんな感情は沸いてこなかった。


そんな感情すら忘れていた。

 
あたしに残ったのは、悲しみという感情だけ。


ボーッと部屋のベッドの上で時間が過ぎていくのを待つ。


死人のようだった。


何度も、何度も、翼を思い出しては泣いた。


また普通に逢える気がして、また、翼があたしを抱きしめに来てくれる気がして、ピッチを眺めては翼からの着信を待ってる自分がいた。


もう二度とかかってくることないのは、わかっているはずなのに……。


それでも翼が逢いに来てくれる気がしてしょうがなかった。
   

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